パーキンソン病とは

パーキンソン病は、1817年にイギリスの医師パーキンソン氏によりはじめて報告された、筋肉の硬直と振るえを特徴とした病気です。パーキンソン病は人口10万人のうち150人がわずらっているほど頻度が高いです。
パーキンソン病は大脳にドパミンを運ぶ神経細胞が変性するのが特徴で、おもに高齢以降に発症します。パーキンソン病で脳のドパミンが欠乏するため、以下の4つの症状が出現します。
- 動作が遅くなる
- カラダがふるえる
- カラダがこわばる
- バランスを取りづらくなる
ほかにも前傾姿勢になったり表情が乏しくなったり、まばたきの回数が少なかったりなどの症状もあります。さらに便秘や嗅覚障害、脚のムズムズ感などとの関連性もあるのが特徴です。
パーキンソン病の原因

パーキンソン病の原因は、中脳の黒質ドパミン神経細胞の減少です。神経細胞の中にあるアルファ-シヌクレインというタンパク質が凝集し蓄積されると、ドパミン神経細胞が減少するとされています。
パーキンソン病は嗜眠性脳炎などの後遺症として生じた事例もありますが、多くの方が食事や職業、地域などの特別の原因を有しません。そのため原因不明の神経難病で、患者さまや家族にとって負担が大きいのが特徴です。
またパーキンソン病は遺伝で発症しませんが、若年の発症者のなかには家族にパーキンソン病の方がおり、遺伝子が原因として確認される場合もあります。
パーキンソン病の治療

パーキンソン病は、神経内科の専門医による診断と薬物治療、生活指導を要します。パーキンソン病は類似した病気がいくつかあり治療が異なるため鑑別が重要です。
パーキンソン病の治療薬は種類が多く、薬物治療以外にもリハビリテーションや特殊な外科治療があります。そのためどのような治療を選ぶかにより生活の質が大きく影響します。
現時点ではパーキンソン病の進行をとめたり、根本的に治したりする治療法はありません。ただ医療行為により、症状を緩和したり日常生活を過ごせるようにしたりすることは可能です。とくに早期のリハビリテーションは、パーキンソン病への効果が期待できます。