脳卒中後遺症

脳卒中後遺症とは

脳卒中は出血性と梗塞性にわけることができますが、いずれも血管に栄養を送っていた部位や損傷の程度により、命に別状がなくともさまざまな後遺症が残ります。

脳卒中の中でも脳梗塞は、はじめは軽症ですが再発をくり返し後遺症が重くなるのが特徴です。一度脳梗塞を発症すると、ほぼ完治するのは2割程度で、7割以上が何らかの後遺症をもち、死亡者は1割弱と報告されています。

なお脳卒中は寝たきりの原因1位です。全国の寝たきりの方は約35.6万人おり、うち約13万人が脳卒中による寝たきりが原因です。

脳卒中後遺症の原因

脳卒中後遺症は片麻痺・半身麻痺・運動機能の低下・感覚障害など、さまざまな症状を引き起こしますが、損傷部位により異なることがあります。

脳卒中後遺症の損傷部位別の症状は以下のとおりです。

前大脳動脈・下肢の運動麻痺 ・無動性無言症
中大脳動脈・顔面・上肢に強い運動麻痺 ・左側の場合は失語症
後大脳動脈・反対側の同名半盲 ・反対側の感覚性麻痺   ・全盲・重度記憶障害・失読※ ・同側顔面の麻痺・反対側四肢麻痺、眼球運動麻痺・舌麻痺※ ・ 閉じ込め症候群※ ※脳底動脈閉塞のレベルによって症状が異なる
椎骨動脈・体のバランスがとりにくくなる ・ふらつきによる夜行困難 ・呂律がまわらない ・嘔気・嘔吐 ・同側顔面と対側半身の感覚障害
眼動脈・失明(一過性黒内障) ※しばらくして徐々に改善することもある。重症の脳梗塞の前兆

脳卒中後遺症の治療

脳卒中後遺症の治療には、薬物療法やリハビリテーション、再生医療、遠絡療法などがあります。薬物療法では脳循環代謝改善薬などが使用され、リハビリテーションには理学療法や作業療法、言語聴覚療法などがあります。

また脳卒中後遺症の治療では、再生医療も用いられます。例えば自身の骨髄幹細胞を採取・培養し移植する脳卒中再生医療や、歯髄の幹細胞から分泌されるサイトカインというタンパク質を使用したサイトカインカクテル療法です。

ほかにも薬や注射を使わない遠絡療法もあります。遠絡療法は生体のながれを改善することで、損傷した脳の活性や痛みや浮腫、つっぱり感などの軽減がのぞめます。

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