しびれとは
しびれとは感覚が部分的あるいは完全になくなった状態をいいます。
ジンジン・ピリピリ・チクチクと感じたり、触覚・温度・痛みを感じにくくなったりと、感覚の低下をさすこともあります。また手足に力が入りにくかったり、動きが悪かったりと、運動麻痺をさす場合もあるのです。
しびれは、顔・首・肩・背中・腰・腕・足・手指・手などの一部や、右半身や左半身で生じることがあります。しびれといっても症状は多彩であり、原因もさまざまです。
しびれのほか、吐き気や呂律がまわらない、物が重複して見える、半身麻痺など見られる場合は、脳卒中などの可能性があるため救急車をよんでください。
しびれの原因
しびれは感覚の経路である感覚受容器から、大脳・脊髄・末梢神経へ通ずるそれぞれの感覚の伝導路に障害が発生すると現れます。障害部位別のしびれの原因となるおもな疾患を以下にまとめます。
- 脳血管障害：脳梗塞・脳出血・脳腫瘍・脳炎・多発性硬化症・三叉神経痛など
- 脊椎の異常：脊椎症・脊椎椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症・後縦靭帯骨化症・脊髄梗塞・脊髄動静脈奇形・脊髄動静脈瘻・多発性硬化症・脊髄炎・HTLV-1関連脊髄症・亜急性連合性脊髄変性症など
- 手足の末梢神経障害：単神経障害（手根管症候群・肘部管症候群など）・多発単神経障害（血管炎・膠原病関連疾患など）・多発神経障害（糖尿病・尿毒症など）
そのほかにも、電解質異常や過換気症候群、下肢静止座不能症候群などでしびれが生じることがあります。
しびれの治療
しびれはさまざまな原因で生じるため、原因の特定が最重視されることが多いです。しびれの治療では、しびれの原因に向けた治療と症状に向けた治療をおこないます。
脳血管障害などの脳からのしびれは、急性期対応を要する場合はER対応の病院へ早急に紹介されます。脊椎の異常からのしびれは、ほとんど手術を要さず、内服薬投与や静脈注射、レーザー治療などで対応されることが多いです。末梢神経障害からのしびれは、原因となる疾患の治療や内服薬投与がおこなわれます。
内科的な治療のみならず、ときには整形外科や脳神経外科などでの手術を要することもあります。