てんかんとは
てんかんとは、てんかん発作をくり返す脳の病気です。世界保健機関による脳の慢性疾患は、脳の神経細胞のニューロンに突然発生する電気的な激しい興奮がくり返されるてんかん発作を特徴とし、臨床症状や検査異常などのさまざまな現象をともなうものと定義されています。
てんかんは100人中0.5〜1人の割合で発症する病気です。発症年齢は3歳以下の乳幼児をはじめ60歳を超えた高齢者に多いのも特徴です。
てんかんは治療により7割~8割の発作が止まり、20年後には半数が薬の服用をせずに発作の出現がなくなっています。
参考:てんかんに関して「てんかんとは、どんな病気?」
てんかんの原因
てんかんの原因は、出生前や出生時の障害、脳炎、外傷、脳腫瘍、脳血管障害、アルツハイマー病などと多岐にわたります。年齢・性別・人種に関係なく発病するのです。
またてんかんの原因は、脳の病変があきらかでない特発性と、脳の病原があきらかな症候性にわけることができます。特発性の部分てんかん・症候性の部分てんかん・特発性の全般てんかん・症候性の全般てんかんと4タイプに分類されます。
てんかんの検査
てんかんで受診した際は、発作症状への対応のみならず脳波・MRI・SPECTによる治療がおこなわれます。
発作症状の治療では問診による診察がもっとも重要です。家族の方に撮影してもらった発作が出た際の動画が、診断に役立ちます。
発作の症状は焦点性発作と全般発作に二分し考え、さらに家族歴や発症年齢、発作の時間帯などを考慮し診断をおこないます。
参考:日本てんかん協会
てんかんの治療
てんかんの治療は発作を止めることが目的です。てんかんの治療薬には多くの種類がありそれぞれ特徴があります。抗てんかん薬のレベチラセタム・ペランパネル・ラコサミド・ラモトリギン・トピラメートなどの中から、多剤併用時に副作用が少ない薬剤を組み合わせた治療法も多いです。
薬物療法で発作が止まらない場合は、外科治療や食事治療が検討されます。てんかん治療には切除手術や迷走神経刺激療法があります。
手術の場合は、24時間ビデオ撮影をしながら脳波を測り、発作時の脳波を測定してんかんの診断を進めます。とくにMRIで病変をともなう焦点性てんかんの場合は、手術治療適応があるか検討がおこなわれます。病変がなく難治性の場合は、迷走神経刺激療法を実施することもあります。