認知症とは
認知症とはさまざまな脳の病気により、脳の神経細胞のはたらきが徐々に低下し、以下の認知機能が持続的に障害され、社会生活に支障をきたした状態をいいます。
- 記憶
- 見当識
- 認識
- 判断力
- 言語
- 計算
- 思考
- 意欲
など
認知症になると仕事のミスが増える、金銭管理ができなくなる、以前のように料理ができなくなるなどの変化があらわれます。
脳の機能が低下しているものの、日常生活が自立できている状態では、軽度認知障害といいます。認知症は不安やうつ、不眠などの行動・心理症状を併発することもあります。
認知症の原因
認知症の原因となる病気でもっとも多いのがアルツハイマー型認知症で、長期にわたり脳にアミロイドβやリン酸化タウというタンパク質が蓄積されることが要因とされています。もの忘れから始まることが多く、失語・失認・失行などを併発することもあります。
他にも脳梗塞や脳出血といった脳血管障害による血管性認知症や、脳にαシヌクレインというタンパク質が蓄積して起こるレビー小体型認知症、脳の前頭葉と側頭葉が病気の中心として進行する前頭側頭型認知症なども認知症の原因となる病気です。
なかには甲状腺機能低下症などの内科の病気や、睡眠薬などの薬剤が認知症の原因となることもあります。
認知症の治療
おもな認知症の治療は、薬物療法・ケア・リハビリテーション・生活指導です。薬物療法では、一定期間認知症の進行を遅らせる効果がのぞめる抗認知症薬が使用されます。
認知症のケアとは、行動・心理症状のコントロールや生活機能の改善などです。認知症のリハビリテーションでは運動療法などにより、認知症の進行を抑えたりQOLの向上を目指したりします。
生活指導ではバランスのよい食事や適度な運動などにより、認知症の進行予防・認知能力の維持を目指します。
認知症かなと思ったら、早期に専門医に相談してください。早期治療により改善がのぞめる認知症もあり、適切な治療・介護を受けるために原因を解明する必要があるためです。